家庭用パソコンの歴史~1985年発売~

懐かしのパソコン

日本で家庭でも楽しめるパーソナルコンピュータが登場しはじめたのが1970年代後半のこと。

「マイコン」と呼ばれていた基板むき出しのボードキットをパッケージ化。

それまであった「マイコンボード」のようなホビー用途の工作キットではなく、家電に近い立場で販売されます。

まず、1978年に日立から「ベーシックマスター」が登場。

それにシャープの「MZ-80K」、NECの「PC-8001」が続きます。

そして日立、シャープ、NECの3社はパソコン黎明期の「御三家」と呼ばれました。

開発意欲が旺盛で元気だった当時の家電メーカー各社は、パソコン市場のシェア争いで勝ち残ろうと次々とオリジナルマシンを市場投入します。

1980年代になると、メーカーの勢力図も少しづつ変化し、富士通が「FM-7」シリーズで台頭し、新たな御三家に。

NEC「PC-8801」、シャープ「X1」、富士通「FM-7」が熾烈なシェア争いに勝ち、新たな御三家として人気を得る。

1985年

1980年代中盤になると、御三家の人気はほぼ固まり、その他のメーカーはオリジナルの商品開発をやめます。

1984年まではいくつかのメーカーが自社製品の上位機種をリリースしますが、1985年になると、NEC、シャープ、富士通以外のメーカーからオリジナルパソコンが発売されることはなくなりました。

御三家以外のメーカー各社はそのかわり、MSX規格に準拠したパソコンを発売開始。

あれだけたくさんの機種が乱立していた日本の8ビットパソコン市場は、NEC「PC-8801」、シャープ「X1」、富士通「FM」、MSXの各シリーズ一色となりました。

PC-8001mkⅡSR

機種名:PC-8001mkⅡSR

メーカー:NEC

発売日:1985年1月

価格:108,000円

CPU:μPD780C-1(Z80互換、動作周波数:4MHz)

※NEC「PC-8001mkⅡSR」カタログより

1979年にNECから発売された「PC-8001」の最上位機種として登場。

初期の「PC-8001」は、画面の解像度160×100ドット/8色表示、サウンドもビープ音のみだった。

その4年後に発売された「PC-8001mkⅡ」は解像度640×200ドット/2色、320×200ドット/4色と表現力が上がり。

そしてこの「PC-8001mkⅡSR」では、640×200ドット/8色の表示が可能になった。

さらにビープ音だけだったサウンド機能もFM音源を搭載し大幅にパワーアップ。

しかしNECのパソコンは「PC-8801」がすでに主役となっていたため、この最上位機種の登場はあまり目立たないものになってしまった。

PC-8801mkⅡSR/TR/FR/MR

機種名:PC-8801mkⅡSR/TR/FR/MR

メーカー:NEC

発売日:
PC-8801mkⅡSR:1985年1月
PC-8801mkⅡTR:1985年9月
PC-8801mkⅡFR:1985年11月
PC-8801mkⅡMR:1985年11月

価格:
PC-8801mkⅡSR model10:168,000円
PC-8801mkⅡSR model20:225,000円
PC-8801mkⅡSR model30:275,000円

PC-8801mkⅡTR:288,000円

PC-8801mkⅡFR model10:99,800円
PC-8801mkⅡFR model20:148,000円
PC-8801mkⅡFR model30:178,000円

PC-8801mkⅡMR:238,000円

CPU:μPD780C-1(Z80互換、動作周波数:4MHz)

※NEC「PC-8801mkⅡMR/FR/TR」カタログより

1983年に登場した「PC-8801mkⅡ」の上位機種。

サウンド機能が乏しかったNECの同シリーズだったが、FM音源チップを搭載し、FM音源3音+SSG3音のサウンド機能を標準装備にした。

グラフィック機能も、640×200ドットは変わらないが、512色中8色を選んで使えるように。

ALUという演算装置を搭載することで描画速度もアップした。

これによりアクションゲームの苦手だったこのシリーズだったが、1985年4月にはゲームアーツから「テグザー」が発売され大ヒット作となる。

そしてソフトウェアの充実により「PC-8801」シリーズは8ビットパソコン市場で不動の地位を確立する。

この年、「PC-8801mkⅡSR model30」にモデム電話を追加した「PC-8801mkⅡTR」が発売。

その後、「PC-8801mkⅡFR」がシリーズの廉価版として登場。

「PC-8801mkⅡFR」では、N-BASICモードの廃止、拡張スロットをひとつに減らすなどのコストダウンが行われた。

同時に発売された「PC-8801mkⅡMR」では、2Dと2HDの両ディスクに対応したフロッピーディスクドライブが搭載された。

PC-9801U/VF/VM

機種名:PC-9801U/VF/VM

メーカー:NEC

発売日:
PC-9801U:1985年5月
PC-9801VF:1985年7月
PC-9801VM0/2:1985年7月
PC-9801VM4:1985年9月

価格:
PC-9801U:298,000円
PC-9801VF:348,000円
PC-9801VM0:295,000円
PC-9801VM2:415,000円
PC-9801VM4:830,000円

CPU:V30、動作周波数:8MHz

※NEC「PC-9801VM」カタログより

当初よりインテルの8086互換CPUを採用していたNECの「PC-9801」シリーズ。

このモデルから、NECが開発した8086互換CPUであるV30に変更。

また、グラフィック機能を大幅に強化、これまで8ビット機と変わらないデジタルRGBによる8色表示だったが、アナログRGBによる4096色中16色同時発色表示が可能になった。

FM-77L2/L4

機種名:FM-77L2/L4

メーカー:富士通

発売日:
FM-77L4:1985年2月
FM-77L2:1985年5月

価格:
FM-77L4:238,000円(400ラインセットⅡ搭載)
FM-77L2:193,000円(FM音源カード搭載)

CPU:MBL68B09、動作周波数:8MHz

※富士通「FM-77」カタログより

前年の1984年に「FM-7」の上位機種として登場した「FM-77D2」。

外見は殆ど変わりなく正面のエンブレムが変わった程度。

まず発売されたのが400ライン表示を標準化した「FM-77L4」。

当初の400ラインセットは99,800円と大変高価であったため、導入が難しかった。

そこで、RAM容量を小さくし、日本語ワードプロセッサが削られた廉価版の「400ラインセットⅡ」が49,800円で用意された。

これを標準搭載したのが「FM-77L4」。

そのあと、FM音源カードを搭載した「FM-77L2」が登場した。

FM77AV

機種名:FM77AV

メーカー:富士通

発売日:1985年10月

価格:
FM77AV-1:128,000円(FDD1基搭載)
FM77AV-2:158,000円(FDD2基搭載)

CPU:MBL68B09E、動作周波数:2MHz

※富士通「FM77AV」カタログより

「FM-7/FM-77」シリーズの上位機種として登場した「FM77AV」。

この機種からFMと数字の間のハイフン(-)がなくなった。

キャッチコピーは「総、天、然、ショック」。

「FM77AV」は、320×200ドット表示モードで、当時の8ビット機としては最高の4096色同時発色が可能。

グラフィック機能のずば抜けて強いパソコンとして、絵を多用するアドベンチャーゲームなどが多く発売された。

それまでの「FMシリーズは」オフホワイト一色だったが、地味なボディーカラーをやめ、黒を基調とした締まったデザインで人気を得る。

MZ-2500

機種名:MZ-2500

メーカー:シャープ

発売日:1985年10月

価格:
MZ-2511:168,000円(FDD1基搭載)
MZ-2521:198,000円(FDD2基搭載)

CPU:Z80B、動作周波数:6/4MHz

※シャープ「MZ-2500」カタログより

世の中の家庭向けパーソナルコンピュータが御三家の製品で占められる中、最後までオリジナルにこだわってハードウェア開発をしていたのがシャープのMZシリーズ。

シャープではテレビ事業部で「X1シリーズ」を発売していましたが、別部門の情報システム事業部で開発されていたのがこの「MZシリーズ」。

この頃になるとパソコンユーザーの目が肥え、一般家庭向けのパーソナルコンピュータに要求される性能は益々高まります。

グラフィック・サウンド・処理速度など、ユーザーはより高性能なマシンを求めていました。

そこで登場したのがシャープ「MZシリーズ」の最高峰であるこの「MZ-2500」。

「SuperMZ」とニックネームを付けられた「MZ-2500」は、「MZ-2000」「MZ-2200」の後継機。

本体正面のパネルにMZ-80B/MZ-2000モードの切り換えスイッチが用意され、旧製品のソフトウェア資産が使えるようになっていました。

また、ハードウェアスクロール機能もあり、当時のパソコンが苦手としていたシューティングゲームやアクションゲームも得意としていました。

ハードウェア性能の高さから、後発製品でありながら、かなりのソフトウェアタイトルが発売されました。

X1F

機種名:X1F

メーカー:シャープ

発売日:1985年7月

価格:
X1F model10(CZ-811C):69,800円(データレコーダ搭載)
X1F model20(CZ-812C):118,000円(5インチFDD1基搭載)

CPU:Z80A、動作周波数:4MHz

※シャープ「X1F」カタログより

X1シリーズとしてはじめて5インチフロッピーディスクドライブが搭載された機種。

基本設計は従来のX1シリーズと変わりない。

付属のBASICが「NEW BASIC(V2.0)となって大幅にスピードアップ。

データレコーダを内蔵したmodel10は定価69,800円と安価。

5インチFDD1基搭載されたmodel20には漢字ROMを標準装備して118,000円。

カラーはローズレッドとオフィスグレーの2色。

デザインはシャープらしく洗練されている。

X1turbo model40/X1 turboⅡ

機種名:X1turbo model40/X1 turboⅡ

メーカー:シャープ

発売日:
X1turbo model40:1985年7月
X1turboⅡ:1985年11月

価格:
X1turbo model40(CZ-862C):258,000円
X1turboⅡ(CZ-856C):178,000円

CPU:Z80A、動作周波数:4MHz

※シャープ「X1turboⅡ」カタログより

「X1turbo model40」は、前年に発売されたX1turbo シリーズ、「X1turbo model30」から、テレビ制御関係の機能を削除してコストダウンしたモデル。

モデル30、27,8000円 → モデル40、258,000円と2万円のコストダウンで、テレビ機能を必要としないビジネス向けモデル。

「X1turboⅡ」は前年に発売されたX1turbo シリーズ、「X1turbo model30」と同仕様の廉価版。

モデル30、278,000円 → turboⅡ、178,000円・・・。

モデル40って一体何だったんだろう?って思ってしまいますね。

MSX2

機種名:MSX2はパソコンの共通規格で機種名は各社で個別に決めていた

メーカー:マイクロソフトとアスキーにより提唱されたパソコンの共通規格

発売日:1985年

価格:価格も各社で個別に決めていた

CPU:Z80A相当品(動作周波数:3.579545MHz)

※キヤノン「V-25」カタログより

MSX2はパソコンの共通規格の名称。

1983年にマイクロソフト社とアスキー社により提唱された「MSX規格」をベースに、さらに高性能化を図った新規格。

CPU性能はMSX規格と変わっていないが、主にグラフィック機能が大幅に強化された。

発売当初はMSXと比較して価格帯の高い商品ばかりでなかなか普及しなかった。

しかし、1986年になると、松下電器がパナソニックブランドで、定価29,800円の「FS-A1」を発売するなど、低価格な商品が発売されるようになり普及した。

「MSX規格」は、このあと、「MSX2+」、「MSXturboR」と発展していく。

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