家庭用パソコンの歴史~1987年発売~

懐かしのパソコン

1970年代後半から日本市場に登場した家庭向けパーソナルコンピュータ。

Z80や6809などの8ビットCPUが主役となり、NEC「PC-8801」、シャープ「X1」、富士通「FM-7」といった「御三家」と呼ばれる機種を中心に市場を形成してきました。

それから約10年が経過し、技術的・コスト的な面で進歩を遂げ、1980年代後半になると家庭向けパソコンのCPUは16ビットへと移行していきます。

1987年

1987年、日本市場に登場した家庭向けパーソナルコンピュータの主役は、なんといってもシャープから登場した「X68000」。

機能を思いきりホビー方面に振って、アーケードゲームマシンでプレイするような高度なゲームも家庭で楽しめるようになります。

この驚異的なホビーマシンの登場により、各社は8ビットから16ビットへと完全に舵を切ることに。

PC-8801FA/MA

機種名:PC-8801FA/MA

メーカー:NEC

発売日:1987年10月

価格:
PC-8801FA:168,000円
PC-8801MA:198,000円

CPU:μPD70008AC-8(Z80H互換、動作周波数:4MHz/8MHz)

※NEC「PC-8801FA/MA」カタログより

1986年に発売されたPC-8801FH/MHの後継機。

フロッピーディスクドライブのコストが下がり、2基搭載モデルを標準とし、ドライブ数によるモデル分けがなくなった。

FM音源チップを、ヤマハ「YM2608」に変更し、サウンド機能がステレオFM音源6音+リズム6音+ADPCM音源1音へとパワーアップされた。

これにより、サウンドボードⅡに対応したソフトウェアタイトルも発売された。

PC-88VA

機種名:PC-88VA

メーカー:NEC

発売日:1987年3月

価格:298,000円

CPU:μPD9002(V50のカスタム品、動作周波数:8MHz)

※NEC「PC-88VA」カタログより

8ビットパソコンで市場のトップを走るNECが「PC-8801」シリーズの名前で16ビットパソコンを出してきた。

「PC-88VA」では、NEC独自の16ビットCPUを採用し、従来のシリーズから大幅な性能向上を図った。

CPUに採用した「μPD9002」は、V50のカスタム品。

V30モードとして動作するだけでなく、「PC-8801」シリーズのμPD70008AC互換モードもあり、V1/V2モードでの動作も可能であった。

画面モードは640×400ドット256色、640×200ドット65536色の表現力に加え、スクロール機能やスプライト機能、複数画面の合成といった機能も搭載していた。

機能的にはホビー向けに振っており、魅力的に思えたが、他社が16ビット新機種を発売する中、それほどヒットすることなく、翌年発売された「PC-88VA2/3」まででシリーズは終焉を迎えることになった。

PC-9801VX01/21/41

機種名:PC-9801VX01/21/41

メーカー:NEC

発売日:1987年6月

価格:
PC-9801VX01:353,000円
PC-9801VX21:433,000円
PC-9801VX41:630,000円
PC-9801VX41WN:658,000円

CPU:i80286(動作周波数:10/8MHz)、V30(動作周波数:10/8MHz)

※NEC「PC-9801VX01」カタログより

ビジネスマシンとして16ビット機市場のトップシェアを走り続けるNECの「PC-9801」シリーズ。

これといって機能が増えたり変更されたわけではないが80286のCPUクロックに10MHz動作モードが追加された。

「PC-9801VX41」には、SASI接続20MB容量のハードディスクドライブが搭載されていた。

PC-9801UX

機種名:PC-9801UX

メーカー:NEC

発売日:1987年10月

価格:
PC-9801UX21:348,000円(3.5インチ2HD/2DDのFDD2基内蔵)
PC-9801UX41:545,000円(3.5インチ2HD/2DDのFDD2基内蔵、SASI20MBのHDD内蔵)

CPU:i80286(動作周波数:10/8MHz)、V30(動作周波数:8MHz)

※NEC「PC-9801UX」カタログより

3.5インチFDDを2基標準搭載した小型筐体のモデル。

大型筐体のVXよりも低価格で、FM音源も標準搭載されていた。

「PC-9801」には、ビジネスユースよりも、ホビーユースを重視するユーザーも多かったので小型筐体でFM音源内蔵は喜ばれたのではないだろうか。

FM77AV20EX/40EX

機種名:FM77AV20EX/40EX

メーカー:富士通

発売日:1987年11月

価格:
FM77AV20EX:128,000円
FM77AV40EX:168,000円

CPU:MBL68B09E(動作周波数:2MHz)

※富士通「FM77AV40/20EX」カタログより

「FM77AX20EX」は従来機からのコストダウン版で、なんと定価が128,000円。

変更点は、ほぼ使われなくなったカセットインターフェースを削除した程度。

「FM77AV40EX」ではVRAMが倍の192KBになり、320×200ドット4096色の画面を2面表示可能に。

メインメモリも192KBに増えた。

オプションでビデオ映像のデジタイズもできたが、ライバル機「X1turboZ」シリーズでは標準機能となっていたため、それほど魅力はなかった。

MZ-2861

機種名:MZ-2861

メーカー:シャープ

発売日:1987年4月

価格:328,000円

CPU:80268(動作周波数、8MHz)、Z80B(動作周波数、6MHz)

※シャープ「MZ-2861」カタログより

シャープのもうひとつのパーソナルコンピュータ「MZシリーズ」から、専用ワープロの「書院」とパソコンをひとつにしたニューコンセプト16ビットマシンとして登場した「MZプラス書院」。

オフィスでの利用を考えて文書作りにこだわり、専用ワープロ「書院」の能力を搭載した16ビットパソコンが「MZ-2861」。

CPUには80286(8MHz)を搭載し、MS-DOSV3.1が動く、さらに「MZ-2500」モードを持ち、スーパーMZのソフトウェアも利用できます。

2800モードでは80286(16ビット)CPUによりMS-DOSとMS-DOS上で動くシャープを代表するワープロソフト「書院」を。

2500モードではZ80B(8ビット)CPUにより「MZ-2500」のソフトウェアを動かすことができるふたつの顔を持つパソコン。

当時、80286マシンといえばNECの「PC-9801」シリーズだった。

そしてそのころ、エプソンが「PC-9801」のクローンマシン「PC-286」というコンパチ機を発表したばかり。

「MZ-2861」では、「PC-9801」のソフトがソフトウェアエミュレーションで動くことを売りにしていた。

しかし、「PC-9801」のソフトウェアが動くという点では、エプソンのクローンマシンの方が確実で、ユーザーがMZ書院を購入する動機にはならなかったようだ。

X1twin

機種名:X1twin(CZ-830C)

メーカー:シャープ

発売日:1987年12月

価格:99,800円

CPU:Z80A、動作周波数:4MHz

※シャープ「X1twin」カタログより

純粋にパーソナルコンピュータとしての「X1」は1986年に発売した「X1G」が最後の機種となるわけですが、「X1シリーズ」にはまだ続きがありました。

「X1G」登場の翌年、1987年に「これがX1誕生5年目の解答です」と、なんとNECとハドソンが提唱するゲームシステムとの融合マシンを出してきました。

融合したゲームシステムは「HEシステム」、すでにNECが商品化していたいわゆる「PCエンジン」の中身です。

家庭用ゲーム機は1983年に任天堂が発売した「ファミリーコンピュータ」通称「ファミコン」がゲーム機市場を独占。

1980年代後半になるとハードウェアスペックの衰えから、シェア奪還を狙うゲーム機メーカー各社から次世代機の発売が相次いでいました。

そんな情勢の中、8ビットCPUを採用してハドソンとNECによって提唱されたのが「HEシステム」。

そして規格に沿って商品化されたゲーム機がNECの発売した「PCエンジン」でした。

その「HEシステム」を「X1」とコラボさせた商品が「X1twin」。

「PCエンジン」用に発売されたゲームソフトの「Huカード」を挿せば、「PCエンジン」のゲームが楽しめた。

元々シャープはこういったコラボ商品を得意とし、テレビとファミコンのコラボ商品「マイコンピュータテレビC1」や、ファミコンとディスクシステムのコラボ商品「ツインファミコン」なども発売していました。

「X1twin」では、5インチFDD1基を搭載した「X1」と、「HEシステム」のゲーム機部をひとつの筐体に入れてコラボ。

「X1」と「HEシステム」は同時に起動することが可能で、専用ディスプレイではスーパーインポーズでふたつの画面を重ね合わせることもできた。

X1turboZⅡ

機種名:X1turboZⅡ(CZ-881C)

メーカー:シャープ

発売日:1987年12月

価格:178,000円

CPU:Z80A、動作周波数:4MHz

※シャープ「X1turboZⅡ」カタログより

前年の1986年末に発売された「X1turboZ」の後継機。

拡張RAM64KBを追加し、添付ソフト「New Z-BASIC」を同梱したモデル。

「New Z-BASIC」では「X1turboZ」のAV機能が使えるようになっている。

本体カラーはブラックのみになったが、価格が218,000円から178,000円にダウンした。

「X1turboZ」シリーズは、翌年の1988年末に「X1turboZⅢ」を発売して全てのシリーズの終焉を迎える。

これは1982年に登場した「X1」全シリーズの終焉を意味する。

X68000

機種名:X68000(CZ-600C)

メーカー:シャープ

発売日:1987年3月

価格:369,000円

CPU:HD68HC000(モトローラMC68000互換)、動作周波数:10MHz

※シャープ「X68000」カタログより

1987年のパソコン市場で最も注目されたのが、シャープ「X68000」の登場ではないかと思う。

「X1」シリーズのシャープから、16ビットCPUの68000を搭載したパソコンが登場する。

パーソナルワークステーションと呼んでいるが、どうやら思いきりホビー方面に性能を振ったマシンらしい。

専門誌「Oh!X」では、発売前から特集を組み、ユーザーたちの期待は高まるばかり。

そんな中、1987年3月、ついに待望の「X68000」がデビューします。

「マンハッタンシェイプ」と呼ばれた、洗練されたツインタワー型デザイン。

パソコンに同梱されたソフトのひとつに、当時アーケードで人気のシューティングゲーム、コナミの「グラディウス」があり。

当時ゲームセンターでアーケードマシンにコインをいくつも投入して遊んでいたゲーマーたちは心を動かされたことでしょう。

これはもうワークステーションではない、究極のゲームマシンなんだと。

当時のアーケードゲームにはCPUに68000を採用していた基板も多く、移植性も良かった。

そのため、多くのアーケードゲームが移植されT、コンソールマシンでは味わうことができない迫力の表現力、「X68000」は、多くのホビーユーザーの憧れのマシンだった。

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