SHARP X1シリーズ
X1は1982年11月にSHARPから発売された家庭用パーソナルコンピュータ。
当時のSHARPからは電子機器事業部のMZシリーズがすでに発売されていましたが、このX1シリーズはテレビ事業部からの発売でした。
X1シリーズの特徴のひとつにテレビとの連携機能があります。
専用ディスプレイテレビとの組み合わせで、テレビ画面とパソコン画面を重ね合わせる「スーパーインポーズ」や、キーボードからチャンネルコントロールができるなど、テレビ事業部の商品らしい個性でMZシリーズと差別化されました。
他社のパソコンにはない個性的な機能を付加したことでX1はホビー用パーソナルコンピュータとして人気シリーズになります。
もうひとつX1シリーズの特徴としてよく語られるのが「クリーン設計」。
これは、同ブランドの別シリーズである「MZシリーズ」と同様の設計で、電源を投入すると、まず最初にIPL (Initial Program Loader) が起動し、FDDなどの周辺機器よりプログラムを読み込みます。
システムプログラムをROMに持っていないため、起動には読み込み分の時間が掛かりましたが、このクリーン設計がX1シリーズに柔軟性と拡張性を持たせることになりました。
当時の8ビットパソコンの基本ソフトであるBASICのバージョンアップなんかも簡単にできたわけです。
余談になりますが、X1シリーズのBASICは桃鉄シリーズでおなじみのハドソンが開発した「Hu-BASIC」。
ちなみにハドソンはファミコンの「ファミリーベーシック」開発元でもあります。
SHARP X1turboシリーズ登場
そんなX1シリーズの発売から2年ほど経過した1984年10月、X1 turboシリーズが発売されました。
X1シリーズとは完全上位コンパチ、これもシリーズの伝統である「クリーン設計」の成せる業でした。
グラフィック画面中心に大幅な機能アップが図られていたにも関わらず旧機種のソフトがそのまま動くということで、X1の豊富なソフトウェア資産を引き継ぐことができたのです。
日本語処理能力を充実した漢字BASIC添付
640×400ドットカラー表示
スーパーインポーズ録画できるデジタルテロッパ内蔵
その他にもメモリ容量が大幅アップしたり、漢字ROMが搭載されたりと、かなりパワーアップがされました。
X1シリーズからパワーアップしたX1turboシリーズは、当初model10、20、30の3系統で登場しました。
フロッピーディスクドライブを2基搭載したmodel30は定価が278,000円。
データレコーダー内蔵のmodel10は168,000円でしたが、外部記憶装置の主流がFDDへと移行しつつあるこの時期に今更カセットというわけにもいかないし、かといって専用ディスプレイとセットで購入するとなると凄い金額になってしまうし。
当時のパソコン少年たちは、どうやって親を説得したのか、とても大変だったと思います。
SHARP X1turboⅡ登場
そうこうするうちに翌年の1985年11月、X1 turbo model30 の廉価版という位置付けで X1 turbo Ⅱ が定価178,000円という、10万円も値下げして登場します。
高性能なX1turboがFDDを2基搭載してこの価格、多くのパソコンマニアたちの心を掴んだことでしょう、まあそういうことです。
多くのパソコン少年たちがコストダウンされたこの高性能マシンを入手したことでしょう。
テレビコントロールやデジタルテロッパ、シリアル通信・ジョイスティック・プリンターなど、多くのインターフェースを標準で備えています。
パソコンテレビの名前のとおり、専用ディスプレイはテレビ機能付き。
電源を投入するとIPLが起動して周辺デバイスをサーチします。
デバイスにメディアがみつかるとプログラムの読み込みを開始しますが、無ければこのような初期画面になります。
デモプログラムが見つかり走り出したところ。
いくつかのX1シリーズを保有していたのですが、ブラウン管CRTがダメになるものが多くて、今でもまともに動くのはX1turboZ用のモニターとX68000用のモニターぐらいしか生き残っておりません。
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