家庭用パソコンの歴史~1986年発売~

懐かしのパソコン

1980年代も中盤になると、パソコンメーカーの勢力図も固定し、新たなオリジナル機種の投入はすっかりなくなりました。

家庭用パソコンに対し、より高性能を求めるユーザーと、それに応えるメーカー。

従来の家庭用パソコンでは中心的存在だったZ80や6809などの8ビットCPUの限界も囁かれるようになります。

1986年

1986年に発売されたパソコンは御三家といわれたNEC、シャープ、富士通の主要機種の後継機ばかり。

NECはシェア争いのトップをゆく「PC-8801」シリーズとビジネスシーンで不動の地位を獲得した「PC-9801」の新機種。

シャープは「X1turbo」シリーズの後継機と「X1」シリーズの集大成ともいえる「X1G」。

富士通からは「FM-7」シリーズから生まれたAV機能に優れた後継機「FM77AV」シリーズ。

これら御三家のメーカーでは、8ビットマシンの後継機を開発しながら、次世代を担う16ビットマシン。

16ビット機のトップシェアを奪うべく、次世代マシンの開発が着々と進められていたのでした。

PC-8801FH/MH

機種名:PC-8801FH/MH

メーカー:NEC

発売日:1986年11月

価格:
PC-8801FH model10:98,000円
PC-9801FH model20:138,000円
PC-9801FH model30:168,000円
PC-8801MH:208,000円

CPU:μPD70008AC-8(Z80H互換、動作周波数:4MHz/8MHz)

※NEC「PC-8801FH/MH」カタログより

「PC-8801mkⅡSR」で波に乗るNECが後継機として発売した「PC-8801FH/MH」は1986年に発売された。

「PC-8801」シリーズはこのモデルの型番から「mkⅡ」の文字がなくなった。

初代からずっと変わることのなかったCPUには、Z80A相当の「μPD780C-1」から、Z80H相当の「μPD70008AC-8」に変更される。

このCPUは8MHzの高速動作が可能で、このモデルでは4/8MHzのクロック周波数切り換えができるようになった。

本体デザインとキーボードも新たになり、設定切替用のディップスイッチも廃止。

これまでディップスイッチで設定されていた項目は起動時にキー長押しで設定画面を表示させて変更するようになった。

PC-9801UV/VX

機種名:PC-9801UV/VX

メーカー:NEC

発売日:
PC-9801UV:1986年6月
PC-9801VX:1986年11月

価格:
PC-9801UV2:318,000円(3.5インチFDD×2)
PC-9801VX0:353,000円(記憶メディアなし)
PC-9801VX2:433,000円(5インチFDD×2)
PC-9801VX4:693,000円(5インチFDD×2、HDD20MB内蔵)

CPU:
PC-9801UV:V30、動作周波数:8MHz
PC-9801VX:80286/8MHz + V30/10MHz

※NEC「PC-9801UV」カタログより

「PC-9801UV2」はCPUにV30を採用し、クロック周波数は8/10MHzの切り替えが可能。

グラフィック画面は640×400ドット4,096色中16色での表示が可能。

PC-9801シリーズでは初となるFM音源搭載。

外部記憶装置には2HD/2DD自動切換え式の3.5インチFDDを2基内蔵。

キーボード端子はフロントに移動し、ケーブルの引き回しがよくなった。

「PC-9801VX」はCPUに80286とV30の2基搭載。80286は8MHzで、V30は10MHzでそれぞれ動作した。

この「PC-9801VX」、CPUはデュアルだったが、残念ながらFM音源は搭載してない。

1986年の同時期に「PC-9801シリーズ」のホビーユースに強いマシン「PC-9801VM21」が発売され、出荷台数21万台の当時にしては大ヒットを飛ばしている。

「PC-9801VM21」はV30マシンだったが、メモリは640KB、画面は4096色中16色640×200ドット。

FM音源はオプションだったが、ほとんどのゲームが快適に動作したためヒットしている。

PC-98LT

機種名:PC-98LT

メーカー:NEC

発売日:1986年11月

価格:
PC-98LT model1:238,000円(3.5インチFDD×2基内蔵)
PC-98LT model2:288,000円(3.5インチFDD×2基内蔵+熱転写プリンタセット)

CPU:V50、動作クロック8MHz

※NEC「PC-98LT」カタログより

PC-98の型番がつきながら「PC-9801」シリーズとの互換性がない16ビットラップトップパソコン。

NEC独自開発のV50をCPUに採用し8MHzクロック固定で動作した。

V50はインテルの8086とソフトウェア互換があり、「PC-98LT」には日本語MS-DOSとN88-BASICをROM化して内蔵していた。

「PC-98LT」は、東芝が発売したラップトップパソコン「T3100」の対抗機種として、NECが市場投入したといわれている。

「PC-9801」シリーズとして互換性のあるラップトップ型パソコンとしては、1989年に「PC-9801LX」が発売されている。

FM77AV20/40

機種名:FM77AV20/40

メーカー:富士通

発売日:1986年10月

価格:
FM77AV20-1:138,000円(FDD1基搭載)
FM77AV20-1:168,000円(FDD2基搭載)
FM77AV40:228,000円(FDD2基搭載、日本語カード搭載)

CPU:MBL68B09E(2MHz)×2

※富士通「FM77AV20」カタログより

1985年に登場した「FM77AV」シリーズのマイナーチェンジ後継機。

フロッピーディスクドライブを2D/2DD兼用ドライブに変更。

外部通信機能としてRS-232C端子を標準搭載。

「FM77AV40」では同時発色数がそれまでの4096色から26万色に増えました。

広告で使われたキャッチコピーは「ひょーげん族」でした。

X1G

機種名:X1G

メーカー:シャープ

発売日:1986年7月

価格:
X1G model10(CZ-820C):69,800円(データレコーダ内蔵)
X1G model20(CZ-822C):118,000円(5インチ(2D)FDD1基内蔵)

CPU:Z80A、動作周波数:4MHz

※シャープ「X1G」カタログより

横置きも縦置きもできるスタイルを採用したX1シリーズ最終製品。

※翌年「X1 twin」が発売されるが純粋なパソコンとしてのシリーズ製品はこれで最後

ファミコンと同じタイプの十字型ジョイカード同梱でこれにはX1ロゴマークがついていた。

X1シリーズの豊富なソフトウェア資産を活かし、ライトなゲームユーザーをターゲットにしたパソコン。

テレビに直接つなげるビデオ出力端子も装備していた。

X1turboⅢ

機種名:X1turboⅢ(CZ-870C)

メーカー:シャープ

発売日:1986年11月

価格:168,000円

CPU:Z80A、動作周波数:4MHz

※シャープ「X1turboⅢ」カタログより

「X1turbo」シリーズの最終モデル。

前年に発売された「X1turboⅡ」からの変更点はFDDを2HD/2D両対応、本体前面のデザインを「X1turboZ」と同じにした。

JIS第2水準漢字ROMを標準搭載。

システムユーザー辞書を同梱。

FDDのインジケーターランプは赤が2Dアクセス、2HDモード時は緑が光るようになった。

本体色はブラックとオフィスグレーの2色。

これで価格は168,000円とコストダウン、しかしこの直後に同じデザインの「X1turboZ」が登場する。

X1turboZ

機種名:X1turboZ(CZ-880C)

メーカー:シャープ

発売日:1986年12月

価格:218,000円

CPU:Z80A、動作周波数:4MHz

※シャープ「X1turboZ」カタログより

1986年末、「X1turboⅢ」発売直後に登場した「X1turboZ」初代機。

「X1」シリーズは画面出力がデジタルRGBのみだったが、「X1turboZ」シリーズではアナログRGB出力を搭載した。

画面モードに320×200ドット、4,096色表示が追加された。

サウンドもステレオFM音源8音+PSG3音の同時出力が可能になった。

本体色はブラックとオフィスグレーの2色。価格は218,000円。

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