T&Eソフト「レイドック」8ビットパソコン機種比較

懐かしのPCゲーム

「レイドック」はT&Eソフトがハードウェアスクロール機能を実装した8ビットパソコンの機種向けに発売した縦スクロールシューティング。

キャッチコピーは「魅せてあげよう、1ドットのエクスタシー」。

MSX2は縦方向ハードウェアスクロール機能に加え、スプライト機能、スプライト衝突判定機能など、スクロールや当たり判定で1ドット単位の処理が可能でした。

MSX2版のレイドックは、移植の2機種にあるインフォメーション画面が無いのでシールド残量が把握できないのが難点。

グラフィックの美しさと動きの滑らかさはご覧の仕上がり、文句なし。

初期の8ビットパソコンはハードウェアでスクロール機能を実装した機種がほとんどなく、アクションゲームやシューティングゲームの開発に苦労していた。

そのため、アドベンチャーやシミュレーション・ロールプレイングなど、美しいグラフィックやサウンドを武器にするジャンルは得意だったのですが。

一方でアクション・シューティングなどのジャンルは価格の安いコンシューマ機(特にファミコン)に比べ劣っているといわれていました。

8ビット機覇権機戦争の終盤、1985年になるとSHARPからスーパーMZことMZ-2500、富士通からFM77AV、MSX規格勢からはMSX2規格製品が発売され高機能化していきます。

16ビットへ移行するか、8ビットはまだ頑張れるのか。

過去のソフトウェア資産のことを考えると、まだまだ8ビットで頑張りたい。

しかし、16ビット機の開発に出遅れると、16ビット機のシェア争いに参加できなくなる、そんな時代でした。

8ビット機としてハードウェアスクロール機能を搭載したこれらの3機種向けに、T&Eソフトがオリジナルシューティングを発売。

それが「レイドック」です。

【レイドック for MSX2/1986年1月/T&Eソフト】

まずは「レイドック」MSX2版を1986年1月に発売。

レイドックシリーズ全てのベースとなる。

T&Eソフトはシューティングゲーム制作の経験が浅いためか単調でゲーマーにとってはどこか物足りない仕上がり。

ただ、RPG的要素もあり、ドッキング要素もありT&Eらしい斬新なアイデアは盛り込まれていた。

二人プレイではドッキングして特殊な武器が使えたが、パソコンで二人プレイという敷居があり、一人で二人プレイをしていた人も多いのではないだろうか。

【レイドック for FM77AV/1986年11月/T&Eソフト】

「レイドック」FM77AV版は1986年11月に発売。

FM77AVは3機種の中で最も優れたグラフィック機能を持っている。(と思っていますが異論はもちろん認めます)

表示色数、解像度とも3機種の中で最も素晴らしい仕上がり。

FM音源のBGMも追加されている。

キャラクタの数が増えるとやや処理落ち気味となる。

【レイドック for MZ-2500/1986年11月/T&Eソフト】

「レイドック」MZ-2500版は1986年11月に発売。

MZ-2500版の画面は320×200ドット16色。他機種版に比べるとグラフィックがチープで物足りない感じ無するけど動きは滑らかでとても軽い。

もちろんFM音源のBGMも追加されている。

スプライト機能を持たないためキャラクタの描画や判定は3ドット単位となるがゲーム性にはあまり影響していないと思われる。

ちなみに、このレイドック、ビジネス向け機種といわれ、機能を省かれたMZ-2520では動作しない。

【スーパーレイドック for MSX/1987年7月/T&Eソフト】

「レイドック」はハードウェアスクロール機能を持たない機種でも移植されました。

それが「スーパーレイドック」。

キャッチコピーは「更にS・U・P・E・R」。

どの辺がスーパーなのかというと、

オープニングやゲーム開始シーンでの演出のやBGMなどが追加されている。

「スーパーレイドック」MSX版は1987年7月に発売。

スクロールはご覧のように8ドット単位。

背景がリズム感よく段々とスクロールしていきます。

【スーパーレイドック for SHARP X1/1987年12月/T&Eソフト】

「スーパーレイドック」X1版は1987年12月に発売。

1987年といえばSHARP伝説の16ビットマシン「X68000」が発売された年。

グラディウスが標準添付されてくるということで話題にもなりましたが、そんな中でも既存の機種向けにソフトを発売してくれるメーカーのありがたいこと。

X1版はオープニングデモのアニメーションが大幅に追加されて豪華に。

搭乗者の乗り込みシーンや自機の発進シーンなども追加。

FM音源にも対応しており、PSGとは違う豪華なサウンドが聴けた。

スクロールはもちろん8ドット単位。

キャラの動きはよく、シューティングゲームとして十分楽しめる作品。

「レイドック」の「MSX2」「富士通 FM77AV」「SHARP MZ-2500」、「スーパーレイドック」の「MSX」「SHARP X1」の比較動画がコチラ。

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