「R-TYPE」はアイレムが1987年7月にアーケードゲームとして発売した横スクロール型のシューティングゲーム。
エネルギーをためて発射する波動砲や、敵の弾を防ぐこともできるフォースなどのオリジナル要素もあり、横スクロールシューティングの人気作品となった。
また、アーケードゲームだけでなく、PC-エンジンやセガマスターシステムなどのゲーム機やパソコンなど、数々のプラットフォームに移植発売されており、人気の高さがうかがえます。
ゲーム内容
自機「R-9(アールナイン)」を、8方向レバーとふたつのボタンで操作する。
レバーで自機を操作して、ショットボタンでレーザーを発射して攻撃、もうひとつのフォースボタンでパワーアップアイテムであるフォースの着脱を制御しながら進むんだ。
ショットボタンを長押ししている間はエネルギーを貯めることができ、ボタンを離した瞬間に貯まったエネルギーを波動砲として発射する。
貯まったエネルギーに応じて威力が増すので、連射と波動砲を場所によってうまく使い分けてステージを進みたい。
アイテムを持った「POWアーマー」を倒すとレーザークリスタルが出現します。
レーザークリスタルを取るとフォースを装着したり、フォースをパワーアップさせることができる。
フォースのほかにも、機体の上下に装着する補助兵器である「ビット」や、誘導ミサイルやスピードアップなどのパワーアップアイテムもある。
R-TYPEは自機のパワーアップ方法が、同じ横スクロールシューティングの人気作「グラディウス」と比べてシンプルで適材適所に出現してくれる容易さもある。
ゲームは残機をすべて失うとゲームオーバー。全8ステージを2周してもゲームオーバーとなります。
自機のパワーアップ
【波動砲】
自機のショットは通常攻撃のほかに、長押しして離すことでエネルギーを貯めた波動砲となります。
波動砲の威力は通常弾の2倍から16倍の破壊力を持つので硬い敵などを一発で仕留めることも可能となる。
また、波動砲は破壊力が高いだけでなく敵を貫通することもできるので、自機ライン上のザコ敵を一蹴することもできるのだ。
波動砲はパワーアップアイテム無しのノーマル状態でも放つことができるため、ミス後の復活のための強力な攻撃手段となるのです。
【フォース】
フォースはR-9の前後に装着することができる完全無敵な球状の兵器。
「POWアーマー」を倒すことで出現する「レーザークリスタル」を取ると現れ、フォースボタンで着脱制御できるようになります。
フォース装着した状態でさらに「レーザークリスタル」を取得することで、フォースは最高3段階までパワーアップする。
一部の特殊弾以外の敵弾を完全に防ぐことができるため、装着することでシールドとしても機能する。また、敵機に直接接触させることでダメージを与えることもできるので武器としても利用可能。シューティングゲームで直接ダメージを与えられる打撃系の武器は珍しい。
フォースはR-9の前後どちらかに装着することが可能で、フォースボタン操作で分離することもできる。
フォースは攻撃も強化してくれるのでゲームを攻略するためには絶対に取っておきたいアイテムです。
【フォースの操作】
フォース装着中にフォースボタンを押すと、自機を離れて画面端まで勢いよく射出される。
そして少しづつ戻り自機と一定の距離を保ちながら空中を浮遊する。
分離中にフォースボタンを押すとゆっくり近づいてきて再び自機と合体します。
また、自機がフォースに接触することでも再装着することが可能。
フォースは、自機の前方または後方の接触した方向に装着されます。
【レーザークリスタル】
レーザークリスタルはフォースを出現させるか、フォースの攻撃をパワーアップさせることができる。
レーザークリスタルには3種類あり、「POWアーマー」を破壊すると出現する。
フォースの攻撃力は3段階までパワーアップします。
【対空レーザー(赤)】
水平方向に向かってレーザーを発射する前方への武器で破壊力が最も高い。
フォースが2段階目の時は2連の短いレーザー、3段階目になるとリング状の貫通レーザーを発射する。
ビット装着時にはビットからのレーザー補助攻撃も追加されます。
【反射レーザー(青)】
水平方向と上下斜め45度の方向に直線状のレーザーを発射する。
発射されたレーザーは地形に接触すると反射するため、狭い場所で威力を発揮する。
2段階目では短いレーザーが、フォースが3段階目になると長くなります。
【対地レーザー(黄)】
フォースから上下に向かって発射され、地形に沿って移動する。
連射ができないうえ水平方向にも発射されないため、活用できる場所は上下からの攻撃が激しい場所などに限定される。
【ビット】
機体の上下に装着する破壊不能な補助兵器。1つ目は自機の上側に装備され、2つ目は下側に装備される。
フォースと同様に敵機にダメージを与えるが、敵弾は防げないものが多い。
また、対空レーザー装備時にはフォースの装着方向に向かって補助レーザーを発射します。
【誘導ミサイル】
前方に向かって2発の誘導ミサイルを発射できるようになる。
ミサイル攻撃の威力はあまりない。
【スピード】
取るたびに自機の移動スピードが最高4段階まで上昇する。
スピードが上がりすぎると自機の制御が難しくなるので取らされないように注意しよう。
パソコンへの移植
R-TYPEはグラフィックが美麗で敵キャラも画面内にたくさんいるため、初期のゲーム機や8ビットパソコンには移植されませんでした。(できなかった?)
最初の移植作は家庭用ゲーム機の「PCエンジン」向けで、移植はハドソンが担当。
それでも当時のメディア1枚には収まりきらず、ゲームは前半と後半のふたつに分けて収録されます。
R-TYPE for PC-88VA版
パソコン版としてはじめて移植されたのはNECの「PC-88VA」版。
このパソコンはNECの人気8ビットマシン「PC-8801」シリーズとソフト互換性を持たせながら16ビットマシンへと進化した異色マシン。
PC-88VAは8ビット時代が終焉を迎える頃、1987年に発売されましたが、本体の売れ行きはあまり思わしくなかったようです。
8ビット機向けとして唯一移植されたのはMSX版、本家アイレムから1988年12月に発売。
R-TYPE for MSX
8ビットパソコンとして唯一移植版が発売されたMSX。
低スペックなハードウェアというハンデがある中で唯一移植ができたのも、MSXにはスプライト機能があったからでしょう。
しかしMSXのスプライトには単色しか使えないという制約があるため、グラフィックが華やかなR-TYPEの移植には苦労した様子が見られます。
スクロールは残念ながら8ドット単位の段階スクロール。
色数があったほうが画面が華やかになるので地形や敵の砲台はグラフィック画面に描いて8ドット単位でスクロールしているよう。
自機やアイテムなど、重要なキャラクタは単色のスプライトではなくグラフィックで描かれています。
ゲーム性はなんとかキープして、難度高めな横スクロールシューティングに仕上がっています。
R-TYPE for X68000
X68000版の移植は本家アイレムによって行なわれました。
本家による移植だっただけに期待値は高かったのですが、多くのマニアからは不満の声が聞かれた移植版だったようです。
実際にプレイするとキャラクタのサイズ感にやや違和感があり。
敵キャラの動きが全体的に速くて難易度が高い。
オープニングステージから、撃ち逃した敵キャラが後ろから容赦なく弾を吐いてくるという。
そこは普通だったら肩慣らしで見逃してくれるだろうと思うのですが容赦なし。
ゲーム開始時に難易度を選択できるのですがノーマルとハードの2種類で、ノーマルでも結構なあれですよ、これは。
大きなキャラもストレスなく動いてシューティングゲームとしては文句ないがやはりアーケード版よりも難易度が高い。
画面内に敵が溢れても処理落ちやちらつきはなく、さすがX68000といったところ。
多重スクロールなどの再現性もさすがハードウェア性能のスペックが高いX68000。
ただ、ゲーム機とはいえ、8ビット機のPCエンジン版の出来が良かっただけに、本家アイレムの作品としてはもう少し原作に忠実にして欲しかったというのが本音のところ。
X68000ユーザーには、アクションゲームやシューティングゲームの猛者たちが多いので、この移植作はそんなユーザーたちへの挑戦状だったのでしょうか。
この後も「R-TYPE」は海外も含めて様々なプラットフォームへと移植されていきます。
続編も次々とリリースされ、横スクロールシューティングの代表作として、ゲーム史に名を残す名作となりました。
ちなみにシリーズ最新作は「R-TYPE FINAL2」プラットフォームはPS4、発売日は今のところ未定です。
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