前回の記事で「Android10」をセットアップした、小さくてパワフルなSBC「Orange Pi Zero2」。
OSの動きがなかなか軽快だったので、なにか使い道はないかということで「RetroArch」をインストール。
さらにこの「ReatroArch」に「PX68K」のコアをダウンロード。
世界最小(自称)の「X68000エミュレータ」をつくってみた!!っということでね。(youtuber口調)
ホントに世界最小なのかわかりませんが、どんな感じに仕上がったのかレビューしてみるのです。
よろしくお願いします。
「Orange Pi Zero2」による世界最小X68000エミュレータ
▼これが「Orange Pi Zero2」による世界最小(自称)のX68000エミュレータ。
ボードサイズは53mmm×60mm、とにかく小さいがSoCにクアッドコアの「Cortex-A53」を採用しておりパワフルだ。
「Orange Pi Zero2」によるX68000エミュレータはどんな仕上がりでしょうか。
動作
まずはエミュレータとしての性能を見てみる。
X68000ソフトの真骨頂は、アーケードで稼働していた激しいシューティングやアクションではないかと思っているので。
完全移植とも称えられたいくつかの移植版ソフトを試してみる。
R-TYPE
SoCの処理能力が足りないとオープニングのサウンドに遅れが発生する「R-TYPE」。
この環境では遅れは感じられない。
これは、、、もしかしてすごくいいかもしれない。小さいのに。
プレイしてみたが違和感が無く完全に再現されているイメージ。
よし、合格。
もしかしてもしかして、史上最小のX68000エミュレータができてしまったかもしれない。
バラデューク
バラデュークもオープニングのサウンドにズレが生じることがある。
スタートしてみたが遅れは感じられない。
ステージボスのデカキャラが登場するとコマ送りになることもあるがそれもなし。
再現性は素晴らしい。
SoCの処理能力の高さがうかがえる。
ドラゴンバスター
次はドラゴンバスター。
ドラゴンバスターがプレイできない環境では上ふたつのゲームはひどいことになるが余裕で動いていたので恐らく大丈夫でしょう。
プレイしてみたが全然問題なし。
ドラゴンのステージもクロービスが軽々動く。OK、合格。
ゼビウス
次は定番の縦スクロールシューティング「ゼビウス」。
アーケード版と比べると縦横比が違うだけでほぼ完璧な移植作。
最高ですよ、これは。
超連射68k
次はアーケードの移植版ではないけれど「X68000」定番の縦シュー作品「超連射68k」。
画面の激しさからCPUの処理が厳しいのではないかと思いきや、どんな環境でも意外とスムーズに動作する。
もちろんこの環境でも問題なく動く。
ナイスですねー。
外観
▼1987年に登場した「X68000」、マンハッタンシェイプとよばれたツインタワーなデザイン。
▼この部屋にあるのは1991年発売の「X68000 XVI」。
▼X68000をエミュレートするSBC「Orange Pi Zero2」はこんな感じ。
SBC(シングルボードコンピュータ)の進化はついにここまで来たか!!という感じ。
▼並べて比べてみる。
SoCの小型化・高性能化によりボードサイズもここまで小さくなりました。
▼このサイズならX68000のマンハッタンタワーの間に入れて。
X68000のふりをするSBCなんてこともできる。
ミニチュアなケースを3Dプリンタで自作してX68000ミニもできるかもしれない。
▼キーホルダーと比べてもこのサイズ感。
小さなSBCといえば「raspi zero」がメジャーだけど「PX68K」はまともに動かない。
▼「Nanopi Fire3」もパワフルだったけど処理速度であとわずか及ばなかった。
ここまで完璧に再現できるSBCはあまりない、しかも小さい。
さまざまなSBCによるX68000
これまでいくつものSBCによるX68000エミュレータを試してきた。
ボードサイズはラズパイが基準となるのでどれも遜色はない小ささ。
価格はCPUの種類や周辺機能によりピンキリだ。
LattePanda
▼x86系64bitCPU搭載の「LattePanda」。
windowsなSBCの先駆け的存在。
CPUは「Atom Z8350クアッドコア1.8GHz」。
Linux系OSをインストールしてもいいがアクティベーション済みのwindows10がインストールしてあるのでもったいない気もする。
発熱に気をつけてあげれば「X68000」は余裕で動く。
Jetson nano
▼NVIDIAのSBC「Jetson nano」。
NVIDIAだけあってグラフィックの処理に強い。
処理能力が高いだけに発熱量も多いのだろう、大きなヒートシンクがついている。
ボードサイズは少し大きめ。
「X68000」は余裕で動く。
ROCK64
▼Rockchip「RK3328」搭載のSBC「ROCK64」。
処理能力は劣るがエミュレータ専用OSを導入すれば「X68000」がギリギリ動く。
ソフトによっては気にならないレベルの処理遅れが生じるのでこの辺が限界ではないかと思う。
なにしろボードの価格が安い(4000円しない)のでリーズナブルにそこそこ動くSBCエミュレータをつくりたいなら候補のひとつ。
NanoPi Fire3
▼FRIENDLYELECのARM系64bitSBC「Nanopi Fire3」。
サイズが75mm×40mmと、とにかくコンパクトなのにHDMI出力も付いているボード。
ROCK64との比較になると処理能力もコストもやや劣るがとにかく小さい。
ROCK64のように専用OSが動くようになればもしかして「X68000」も完璧に再現できるかも。
ROCK PI X
▼ラズパイサイズながらx86系64bitCPUのSBC「ROCK PI X」。
こんなにコンパクトなのになんと「windows10」が動く。
専用OSにも対応しているので動作環境は選びたい放題。
「Linux系」「Lakka」「Recalbox」「windows」など。(BatoceraはHDMIから音声が出なかった)
処理能力の高いx86系なのでどの環境でも「X68000」は問題なく動く。
raspi4
▼SBCの人気ナンバーワン「raspi4」。
Linux系ディストリビュージョンのラズパイOSからエミュレータ専用OSまでかなり広くサポートされている。
もちろん「X68000」エミュレータはどの環境でも問題無く動作する。(一部例外あり)
これまでさまざまなSBCによるX68000のエミュレータ環境を構築してきました。
今後もSoCの性能は上がり、SBCの新製品が登場してくるでしょう。
さらに小さなボード、低コストなボード、高性能なボードなど。
今後も個性的で高性能てコストパフォーマンスに優れたSBCの登場に期待します。
コメント