1970年代後半になると各社から家庭向けパーソナルコンピュータが発売されます。
まず、1978年9月に日立から「ベーシックマスター」が。
次いで1978年12月にはシャープから「MZ-80K」がそれぞれ発売されました。
画面は低解像度のモノクロで音源もシンプルなビープ音のみ、記憶デバイスはカセットテープという仕様の機種がほとんど。
それでも自宅にパソコンがあるのはまだ珍しく、持っているだけで羨望の眼差しを向けられたものでした。
1979年
1979年になると、日立とシャープに後れを取ったNECが「PC-8001」を市場投入してきます。
これで黎明期の 御三家 と呼ばれた「ベーシックマスター」「MZ-80K」「PC-8001」の各シリーズが出揃う。
NECの新製品に負けじと日立とシャープも新製品開発の手を止めず、シリーズ製品を次々と投入していきます。
PC-8001
機種名:PC-8001
メーカー:NEC
発売日:1979年9月
価格:168,000円
CPU:μPD780C-1(Z80互換)、クロック周波数:4MHz
国産8bitパーソナルコンピュータの代表的な機種といえばNECの「PC-8001」。
CPUにはザイログ社のZ80A互換品であるNECのμPD780C-1をクロック周波数4MHzで駆動。
「PC-8001」は「MZ-80K」のようなセミキットではなく完成品のパーソナルコンピュータとして販売された。
キーボード一体型の本体の背面に専用ディスプレイやデータレコーダの接続コネクタが並ぶるスタイル。
本体背面左には電源スイッチ、リセットスイッチが並ぶ。
その隣にはカセットデータレコーダの接続コネクタ、そしてモノクロとカラー2種類の専用モニターへの出力が。
専用モニターはかなり高価なものだったので、家庭用テレビをモニターにするためのRFユニットもオプションにあった。
プリンタと外部接続バスは基板の接続パターンがむき出しの状態だった、この辺りはボードマイコンからの流れである。
「PC-8001」の本体価格は168,000円と性能に比較してとてもコストパフォーマンスに優れていた。
しかしこれにオプションの専用カラーディスプレイや記憶装置を揃えると結果的にものすごく高価なセットとなってしまう。
オールインワンの「MZ-80K」とは大きな差が出てくる。
それでもカラー表示のパソコンは魅力的で1979年の発売開始から1983年1月の販売終了までにトータルで25万台も売れた。
ベーシックマスターレベル2
機種名:ベーシックマスターレベル2
メーカー:日立製作所
発売日:1979年2月
価格:228,000円
CPU:HD46800(6800互換、動作周波数:750kHz)
初期型の「ベーシックマスター」が発売された翌年に仕様を強化して発売された「ベーシックマスターレベル2」。
最大の変更点はベーシックの機能強化。
レベル1のベーシックに対して、浮動小数点演算などの機能を強化した。
それに伴い、内蔵ROMを4K×2から4K×4に容量アップ。内蔵RAMも4Kから8Kに容量を増やしている。
この内容で定価が188,000円から228,000円に変更された。
MZ-80C
機種名:MZ-80C
メーカー:シャープ
発売日:1979年11月
価格:268,000円
CPU:Z80(動作周波数:2MHz)
「MZ-80K」の初期型の発売された翌年の1979年に発売された「MZ-80C」。
基本設計はMZ-80Kと同じであるが、組み立てキットではなく完成品として発売された。
メインメモリとして48KバイトのRAMを実装し、ROM領域を最小限にしてRAM領域を大きく確保した。
この機種のカタログからシャープのパソコンに「クリーンコンピュータ」の名称が登場する。
キーボードはマトリクス配列ではなく、タイプライタと同じ配列のフルキーボードに変更された。
モニターには目に優しいグリーンモニターを採用で標準価格268,000円だった。
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