【テラクレスタ】合体してパワーアップする縦スクロールシューティング

懐かしのゲーム

「テラクレスタ」は日本物産(ニチブツ)が1985年に発売したアーケードゲーム。

同社の「ムーンクレスタ(1980年)」の続編にあたる作品で、縦スクロールシューティングゲームだ。

※ムーンクレスタ

日本物産といえば、アーケードゲーム黎明期に「スペースインベーダー」や「ブロック崩し」などのコピーゲームで業界に参入した会社。

当初は、ライセンスを取得せず無断でコピーゲームを販売したことで、本家のタイトーから提訴され許諾料を支払うことになったりといった騒動を起こしていた。

また、ナムコとの間でも「ギャラクシアン」でライセンス契約を結んだものの、タイトル名を勝手に変えたり無断で続編を出したりといった問題を起こしている。

そんな紆余曲折があり、ようやく自社ブランドでヒットした作品が「テラクレスタ」の前身である「ムーンクレスタ」。

ギャラクシアンのアレンジゲームであるものの、合体してパワーアップするという演出の導入でヒット作となる。

続編の「テラクレスタ」も自機が合体してパワーアップするようになっている。

「ムーンクレスタ」の登場から5年の月日を経て、グラフィックもサウンドも大幅に強化された待望の続編となった。

ちなみに、キャッチコピーは「逆襲のムーンクレスタ」である。

ストーリー

宇宙世紀に入って、地球は隆盛を極めていた。

しかし、全宇宙を手中にしようと企む宇宙魔王マンドラーが、その無の魔力によって地球上に巨獣(原始時代に地球上に存在した恐竜のことである)を蘇らせた。

宇宙魔王マンドラーとその手下巨獣群によって、地球人は地表に基地や武器を残し、生命の源である海の底へと生きる大地を移すことを余儀なくされた。

そして時は流れ、地球人たちは再び輝く太陽と緑の大地を取り戻すべく、地球奪回組織“テラクレスタ”を結成し、戦闘迎撃機“ウイングギャリバー”を完成させ緊急発進した。

ウイングギャリバーは、大地に残された格納庫からパーツを奪還し、合体分離のフォーメーション攻撃を敵に加えながら、宇宙魔王マンドラーを目指す。

戦え! ウイングギャリバー!! 緑の大地を取り戻す日まで。

戦闘迎撃機「ウィングギャリバー(自機)」を操作して、敵を破壊していく、合体とフォーメーション攻撃が特徴的なシューティングゲーム。

自機の1号機を操作してステージの途中で2~5号機のパーツを手に入れて合体する。

全機合体で、一定時間無敵の火の鳥とになることが可能。

フォーメーションは1機合体ごとに3回までの使用が可能だ。

ゲームシステム

8方向レバーで自機(ウイングギャリバー)の移動操作。

ボタンはふたつあり、ひとつはショット、もうひとつはフォーメーションの操作。

自機の攻撃は地上物と空中物両方に有効、対地用のミサイルなどは無い。

地上に障害物があると、ショットが障害物に遮断され、その先の地上物への攻撃は届かない。

しかし、フォーメーションを使って攻撃することで全ての地上物を破壊することもできる。

地上の格納庫を破壊することでパーツと合体することができ、フォーメーションを使えるようになる。

合体状態を維持してフォーメーションを有効に使うことがこのゲーム攻略のカギとなる。

敵の出現パターンは決まっているため、画面に登場したらなるべく早く攻撃して破壊したい。

残った敵は自機に向かってトリッキーな動きで突進してくるものが多い。

シューティングゲームのスタイルとしては反射神経を駆使するような避けゲーではなく、パターンを覚えて攻略するタイプではないかと思う。

自機

【ウイングギャリバー】

自機の名は「ウイングギャリバー」、通称は「ウインガー」である。

1号機は「アルファ号」という2連装のショットを装備した状態で、2号機から5号機までのパーツと合体することができる。

ステージにはパーツの格納庫が点在し、自機が近付くと地上にゆっくりと出現する。

格納庫の周囲には数字の刻印された地上物も同時に出現し、これを破壊するとパーツが登場して1号機と合体可能になる。

パーツと合体するとフォーメーション攻撃が3回までできるようになり、フォーメーションボタンを押すと発動する。

合体時に敵の攻撃に被弾してもパーツが破壊されるだけで自機はミスにならない。

【アルファ号】

どのパーツとも合体していないノーマル状態の自機。

サイズがコンパクトで当たり判定が小さいので攻撃を避けやすいのが利点。

ただしショットは前方への2連装のみで攻撃力が弱い。

画面上では「WINGER」と表記される。

【ベータ号】

「2」の格納庫から出現する。

全長はアルファ号とほとんど変わらないが横長の機体。

合体すると前方への攻撃範囲が横方向に広がる。

【ガンマ号】

「3」の格納庫から出現する。

アルファ号の機首に合体する小さなパーツ。

合体すると後方にもノーマルショットが撃てるようになる。

【デルタ号】

「4」の格納庫から出現する。

アルファ号の前方に合体する。

合体すると前方に強力な貫通弾を発射できるようになる。

【エプシロン号】

「5」の格納庫から出現する。

アルファ号の最後尾に付くパーツ。

合体すると自機後方に大きめのバリアを張る。

このバリアは通常ショットで破壊出来る敵空中物に対しては有効。

ただし、弾や地上物に対しては無力である。

フォーメーション

格納庫から出てきたパーツと合体するとフォーメーション攻撃ができるようになる。

新たなパーツと合体すると画面中央下に「Fマーク」が3つ現れる。

この「Fマーク」の残数だけ「フォーメーション攻撃」ができるのだ。

「フォーメーション攻撃」は、合体している機数で陣形と攻撃方法が変わる。

「フォーメーション攻撃」で、通常攻撃では破壊不可能な空中物を破壊することも可能になる。

「Fマーク」は新しいパーツと合体すると満タン状態(上限3回)に補給される。

5機合体状態でFマークを使い切った場合、パーツを破壊して新たなパーツを取得し直さないと「フォーメーション攻撃」を使えなくなる。

フォーメーション攻撃中、パーツは完全無敵となるが、自機(アルファ号)は無敵にならないため、パーツの間を抜けてきた敵や弾にアルファ号が当たらないように注意が必要だ。

【2機-ムーン・フォーメーション】

アルファ号の左右どちらかにパーツが並び、両機の間から横長の三日月形のビームが出る。

攻撃範囲は大きいが、破壊不可能な地上物に阻まれる率が高くなる。

【3機-エクステンド・フォーメーション】

アルファ号の斜め前に各一機ずつ位置取り逆三角形を描くフォーメーション。

各機から前方へのノーマルショットと、前の2機からそれぞれ外側斜め前にショットを発射できる。

斜めへの攻撃があり、攻撃範囲が広く使いやすいフォーメーションだ。

【4機-サイクロン・フォーメーション

アルファ号の前方に三角形にパーツがならび、全体で菱形を描くフォーメーション。

アルファ号はノーマルショットを撃ち、他のパーツは渦巻き型の軌道を描く特殊な弾を出す。

攻撃範囲にムラがあり、回転弾の連射もできないため攻撃が手薄になるところがある。

【5機-クロス・フォーメーション】

パーツはアルファ号の前方に正方形に並ぶ。ホームベースの形になる。

アルファ号はノーマルショット。

右2機は左斜め前に、左2機は右斜め前にそれぞれ発射する。

【火の鳥】

5機合体した瞬間から一定時間(約8秒)、無敵の火の鳥になる。

この間は攻撃手段が体当たりとベータ号のショットのみになる。

5機合体状態では後方にシールドが張られる。

移植版

ファミコン版テラクレスタ

発売元:日本物産

発売日:1986年9月27日

ファミコン版テラクレスタは、本家である日本物産が移植して発売。

家庭向けゲーム機なので画面が横につぶれているのは仕方のないところ。

画面の色もやや薄く、本家のカラフルさは無くなっている。

また、ファミコン版テラクレスタにはフォーメーション攻撃の陣形をエディットできるモードが追加されていた。

フォーメーション時のユニットの配置と。

ショットの方向を変更できる。

家庭用ゲーム機の8ビット機と、アーケード基板のテラクレスタではハードウェア性能が違うのでそもそも移植の出来は置いておいて。

シューティングゲームとしての楽しさは健在で難易度も高く、間違いなくシューティングマニアをうならせる作品だった。

X68000版テラクレスタ

発売元:電波新聞社

発売日:1992年11月20日

数々のアーケードゲームが移植されたX68000でもテラクレスタが発売された。

ビデオゲームアンソロジーとしてアーケードの人気作をシリーズで発売していた電波新聞社からの発売だ。

ビデオゲームアンソロジーシリーズには全部で13作品が移植されたが、テラクレスタは日本物産のもうひとつの人気作「ムーンクレスタ」と合わせて「ムーンクレスタ&テラクレスタ」として発売された。

X68000に装備されていたふたつあるフロッピーディスクドライブのうち、どちらに入れて起動するかで作品が選択できるようになっていた。

第一ドライブ(ドライブ0)に入れて起動すればテラクレスタ。

第二ドライブ(ドライブ1)に入れて起動するとムーンクレスタが起動。

起動画面には「Vol1」の文字が、ビデオゲームアンソロジーシリーズの記念すべき第一作品となっている。

アーケードゲームのクオリティを家庭向けパソコン(X68000)に移植することで定評のあったこのシリーズ。

モニターの都合から縦サイズがつぶれた格好となってしまっているのは仕方がないにしても、グラフィックもサウンドもかなりハイクオリティな移植となっていた。

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