「グラディウス」といえばコナミを代表するシューティングゲームの傑作。1985年にアーケード版がリリースされ、グラフィックの美しさとオプションパーツを選んで自機が強化されるパワーアップシステムの新しさで話題となり、たちまちゲームセンターで大人気のゲームとなりました。
その後「グラディウス」はシリーズ化されコナミの代表作となるわけですが、アーケード版だけにとどまらず、パソコン版のほかにもファミコンやPCエンジンなどのコンシューマー機まで幅広いプラットフォームへと移植されていきます。
シリーズ作品
コナミの横スクロールシューティングの基本形となった「グラディウス」。アーケードゲームとして人気を博し、このあとシリーズ化され、たくさんのシューティングゲームが開発されました。
・沙羅曼蛇(1986年)
・ライフフォース(1987年)
・グラディウスⅡ-GOFERの野望-(1988年)
・グラディウスⅢ-伝説から神話へ-(1989年)
・沙羅曼蛇2(1996年)
・ソーラーアサルト(1997年)
・ソーラーアサルト リバイズド(1987年)
・グラディウスⅣ-復活-(1999年)
この他にも、パロディ作品として、パロディウスシリーズが発表されるなど、多くのシューティングゲームの原点となった「グラディウス」。
家庭用ゲーム機向けのオリジナルタイトルなども発売され、最も多くの作品に影響を及ぼした伝説のシューティングゲームと言っても過言ではないと思います。
ゲームシステム
ゲームは画面が強制的に横スクロールするシューティングゲーム。ゲームが始まると画面の右側から左側へと背景がスクロールしていきます。
プレイヤーはビッグバイパーと呼ばれる飛行機スタイルの自機をジョイスティックで上下左右に操って敵キャラを避け、武器で撃破しつつ進みます。
ステージ序盤で敵は編隊を組んで攻撃してきまが、敵の編隊を1機残らず撃破するとカプセルが出現します。敵の中にはオレンジ色をした個体もありますが、この個体も撃破するとカプセルが出現します。
カプセルには2種類があり、オレンジのカプセルを取るとパワーアップゲージを貯めます。青いカプセルは画面内の敵キャラにダメージを与えます。
パワーアップボタンを押すとパワーアップゲージのある場所のパワーアップアイテムで自機をパワーアップすることができます。
パワーアップゲージの内容は左から、スピードアップ・ミサイル・ダブル・レーザー・オプション・?となっており、?は皆さんご存知のとおりシールドを装備することができます。
このゲームはいかにフル装備状態を維持できるかが攻略のカギです。序盤からカプセルをどんどん取って、早い段階でフル装備にし、フル装備後は敵弾にやられないように注意しながらステージを進みます。
敵弾を避けるにはある程度素早く動けるように自機をスピードアップする必要がありますが、あまりスピードアップしすぎると自機の細かい制御がきかなくなり、ステージ内の障害物にぶち当たって玉砕しかねませんのでスピードアップはほどほどにしておきましょう。
また、再開時にスピードが最遅だと、敵弾を避けるのもままならないので、パワーアップゲージは常にゼロにしないように、パワーアップカプセルを取る直前にパワーアップをするよう習慣付けておくといいです。
まあ、そもそもステージ途中で再開すると復活するの至難の業なんですけどね。
序盤でパワーアップする順番は、スピードアップ→ミサイル→オプション→オプションがおすすめ。(パソコン版の場合)ミサイルは下の敵を一掃してくれるので必須。オプションも攻撃力が劇的に上がるので必須と言えます。
アーケード版ではミサイルよりもレーザーを先に取って、攻撃ボタン押しっぱなしで前方の敵を一掃していく作戦を取る人もいるのではないかと思いますが、パソコン版のレーザーはアーケード版ほど威力が無いのでむしろなくてもいいのではないかと思います。
8ビットパソコン版グラディウス
アーケードゲームで人気だったグラディウスは、無謀にも当時の8ビットパソコンにも移植されていきました。
当時の8ビットパソコンの性能は、ハードウェアによるスクロール機能なし、スプライト機能なし、CPUはZ80相当の周波数が4MHz程度で、グラフィックの表示色も8色、もちろんグラフィック処理もCPUで演算していたのでパソコン版への移植には大変な苦労があったのではないかと思います。
【MSX版】
他の8ビットマシンよりも少しだけゲームに向いたハードウェア仕様となっていたMSXです。
キャラクタ単位で表示ができるスプライト表示機能があるので自機や敵キャラは単色表示ながら滑らかに動きます。
敵弾も他機種のようにガクガクとせずにスムーズな動きで軌道が読みやすくなっていました。
ただ、背景スクロールは8ドット単位で移動、砲台も背景として描かれていたようで、敵機はスムーズなのに砲台はカクカク移動してきて少しやりにくさはありました。
オプションの数も2つまでに制限されていましたが、ゲーム性そのものは保たれていたように感じました。
1面ボスのビッグコアも画面の4分の1を占拠するこの迫力でした。
【PC-8801mkⅡSR版】
パソコン版としてMSX版に続いて発売されたのがPC-8801mkⅡSR版。
シューティングゲームにはやや弱さのあったPC-8801シリーズ、スクロールは8ドット単位で敵弾もガクガクするので操作がかなりアバウトになってしまうのは仕方のないところ。
むしろこのハードウェアでよくここまで作ったものだと感心します。
オプションはやはりふたつまで、背景も単色表示での移植になりました。
【X1版】
パソコン版の第3弾として登場したのがX1版グラディウス。
X1シリーズはPCG(プログラマブルキャラクタジェネレータ)が使えたので、アクションゲームやシューティングゲームには定評がありましたが、やはりグラディウス移植の難易度はかなり高かったようです。
やはりスプライト表示機能が無いので敵キャラや敵弾の滑らかさは無いものの、ゲーム性は高く、シューティングゲームとして楽しめる出来栄えでした。
序盤でこの敵弾の数はちょっと難度が厳しすぎるんじゃあないかとも思いますが当時のゲーマーたちを唸らせたのは事実です。
オプションはやはりふたつまででしたが、改造パッチが出回っていたためオプションを最大で4つまでにすることができました。
レーザーはアーケード版に比べて非力なので、序盤でまずはレーザーを装備するという必要性はありません。(レーザーを長くするという改造パッチもあったようです)
背景も単色ではないので、PC-8801版よりはアーケード版に近い移植版となりました。
X68000版グラディウス
家庭用パソコンの8ビットマシーン全盛期が終わりを告げようとしていた1987年、これまでX1シリーズを製造販売していたシャープのテレビ事業部から衝撃的な16ビットマシンがデビューします。
その名も「X68000」、名前のとおりCPUに68000を採用して、パーソナルワークステーションというジャンルに投入したそのパソコンは、ゲーマーの購買意欲を全力でそそるまさにゲームマシンでした。
なにせX68000本体に付属していたソフトのひとつがこの「グラディウス」。
8ビットPC版ではふたつまでしか付かなかったオプションもX68000版ではアーケード版と同じように4つまで付き、パソコン版ではこま切れで短かったレーザーもX68000版では画面の端まで届いて爽快に敵を殲滅することができる。
全7ステージを完全に収録し、プログラマの人が「1ドットでも違っていたら私は腹を切る」と言っていたと当時のOh!MZに載っていたほどです。
ただし、本当に1ドットも違っていなかったのかどうかはわかりません。
ハードウェアでのスクロール機能あり、スプライト機能あり、65536色カラー表示、サウンド機能も・・・。
販売元のシャープからはワークステーションとして発売されましたが、これは間違いなくゲーマーのためのゲームマシンでした。
オープニングから序盤のグラフィックもサウンドもアーケード版そのもの、このハイクオリティなゲームが標準添付されてくるということでX68000というハードウェアの登場を期待していたゲーマーたちも当時多かったのではないかと思います。
レーザーの威力が半端ないので、まずはレーザーを取ってからオプションを付けるという作戦もありでした。
色数もアーケード版に合わせて32767色にしていたといいます、この辺が完全移植へのこだわりなんでしょう。
横スクロール+縦スクロールの面もそのまま再現されているX68000版でした。
今となっては当たり前のように完全再現で移植されていますが、パソコンのハードウェア機能が低かった1980年代当時は大変な苦労をして移植していた様子がうかがえます。
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