コンシューマゲーム機の歴史~1985年発売~

懐かしのゲーム機

1985年に発売された家庭用ゲーム機

1980年代は家庭用ゲーム機が目覚ましい進化を遂げた年代でした。

1983年に登場した任天堂の「ファミリーコンピュータ」。

この伝説のゲーム機の登場により、家庭用ゲーム機の勢力図は一気に決定付けられたように思います。

家庭用8ビットパソコンは上位3社による熾烈な勢力争いが続いていましたが、家庭用ゲーム機は王者ファミコンに軍配が上がり、ライバル各社は、同じプラットフォーム上で動くソフトウェアで稼ぐ方向に舵を切ります。

ゲームソフトでは爆発的大ヒットとなった「スーパーマリオブラザーズ」が発売。

この大ヒット作品の登場によりますますファミコンユーザーが増え、任天堂の勢いは衰え知らず。

しかし、そんな情勢の中でも、あきらめずにゲーム機の開発を続けていた会社もあります。

ひとつは任天堂と同じようにアーケードゲームや家庭用ゲーム機を開発していた「セガ」。

「SG-1000」「SG-1000Ⅱ」とマイナーチェンジを続けたシリーズは、互換性を保ちながら「セガ・マークⅢ」へと進化します。

そしてもうひとつは他社に先駆けて1981年に家庭用ゲーム機をリリースした「エポック社」。

他社とは違う観点で、画面付きで持ち歩けるゲーム機を、ここでも時代に先駆けて登場させました。

任天堂、セガ、エポック社はそれぞれに個性的なハードウェアを市場に投入して家庭用ゲーム機業界を盛り上げた主役でもあります。

結果的には任天堂の独り勝ちになりましたが・・・。

セガ・マークⅢ

メーカー:セガ
発売日:1985年10月20日
価格:15,000円
ソフトウェア発売数:マークⅢ専用ソフト/23本
代表作品:ファンタシースター、ファンタジーゾーンⅡ
CPU:NEC uPD780C-1(Z80A相当品)
同時発色数:64色中16色
スプライト機能:8×8ドット最大256種類、1ドット毎16色設定可、1画面に64個まで表示可
音源:PSG音源3音+ノイズ1音

1983年に発売された「SG-1000」、1984年に発売された「SG-1000Ⅱ」と、同社のゲーム機と互換性を保ちつつグラフィック機能を強化した後継機。

「SG-1000」「SG-1000Ⅱ」では評判の悪かったコントローラも新しくなり、ファミコンのジョイパッドに近い形となります。

オプションだったカードキャッチャを標準装備し、マイカードのソフトもそのままプレイすることができるようにもなる。

機能的には同時発色数、スプライト表示機能、スクロール機能などを大幅に強化。

アーケード基盤「セガ・システム2」のゲームが移植できる程度の性能を目標としていた。

マークⅢ専用のアーケードからの代表的な移植作品としては

・ファンタジーゾーン
・スペースハリアー


・アフターバーナー


・R-TYPE


・アウトラン

など。

ゲームセンターで人気の筐体ゲームなどが次々と移植された。

このほかに、パソコンゲームから

・覇者の封印


・イース

なども移植され、ソフト的には人気作が多数ラインナップされます。

しかしそれでも、任天堂「ファミリーコンピュータ」の販売台数には遠く及ばなかった。

ゲームポケコン

メーカー:エポック社
発売日:1985年
価格:12,000円
ソフトウェア発売数:5タイトル
代表作品:アストロボンバー
使用電源 ::単3乾電池4本、または専用ACアダプタ
※乾電池での公称駆動時間は30時間
画面解像度 : 横75×縦64
CPU : μPD78C06AG(6MHz)
本体重量 : 470 g(電池含む)
消費電流: 150(mA)

「ゲームポケコン」はエポック社が1985年に発売した携帯型ゲーム機。

エポック社では1981年に「カセットビジョン」を発売している。

「ゲームポケコン」は「カセットビジョン」のハンディ版をコンセプトに開発されました。

「カセットビジョン」ではゲームカセットにワンチップマイコンを搭載していたが、「ゲームポケコン」では本体にCPU、ゲームカセットにはROMが搭載される当時主流のスタイル。

日本初のロムカセットを採用した携帯ゲーム機であった。

液晶画面はカラーではなくモノクロ2階調。

任天堂が「ゲームボーイ」をリリースしたのが1989年のこと。

その4年も前に携帯型ゲーム機を商品化したエポック社にはほんとうに敬意を表したい。

ただ、当時はまだゲーム機のモバイル性能は重視されていなかったため、部品の性能がモバイルに向いておらず「ポケコン」と名前を付けつつもポケットに入るサイズではなかった。

当時の液晶型携帯型ゲーム機といえば1980年に任天堂が発売を開始した「ゲームウォッチ」が主流でした。

また、ポケコンといえばシャープやカシオがビジネスにも使える「ポケットコンピュータ」を発売しており、BASICによるプログラミングもできるポケコンはビジネスシーンでもホビーシーンでも利用されていました。

そのような背景もあり「ゲームポケコン」の認知度はあまり高くなく、売れ行きはいまひとつだった。

発売されたゲームタイトル

ゲームポケコンのゲームソフトは結果的に5本しか発売されませんでした。

・アストロボンバー(カセットビジョン用ソフト「アストロコマンド」の移植)


・ブロックメイズ(スーパーカセットビジョン用ソフト「パンチボーイ」に似たゲーム)
・ポケコン マージャン
・ポケコン リバーシ
・倉庫番(当時人気だった面クリア型パズルゲーム)

本体内蔵のゲーム

・パズルゲーム – 15パズルの3×4バージョン
・グラフィック機能

今振り返るとエポック社の「ゲームポケコン」は、あまりに先進的すぎるゲーム機だったために当時はまだユーザーに受け入れられなかったのかと思います。

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