1983年に発売された家庭用ゲーム機
1981年にエポック社から「カセットビジョン」が発売されてから、家庭用ゲーム機の市場がガラッと動き出したように思います。
ホビーメーカー各社は自社ブランドのゲーム機を競って開発しだしました。
1983年になるとそれらのゲーム機が一斉に市場に登場しはじめます。
家庭用パソコンの市場がそうであったように、家庭用ゲーム機戦国時代の到来とでもいいましょうか。
アルカディア
メーカー:バンダイ
発売日:1983年3月
価格:19,800円→9,800円
販売台数:
ソフトウェア発売数:
代表作品:機動戦士ガンダム、超時空要塞マクロス
世界中で発売されたアルカディア互換機のバンダイ版。
日本版にはこのほかにも「エクセラ」や「ダイナビジョン」が存在した。
当初は本体価格19,800円で発売したがファミコン登場後に9,800円に値下げされた。
ゲームソフトはバンダイだけに「機動戦士ガンダム」や「ドラえもん」などのキャラクターゲーム4本が日本市場向けに発売。
ガンダムはシューティングゲームだった。
ソフトは全タイトルで51本。
ファミリーコンピュータ
メーカー:任天堂
発売日:1983年7月15日
価格:14,800円
販売台数:日本/1,935万台、アメリカ/3,400万台、世界/6,191万台
ソフトウェア発売数:1,053タイトル
代表作品:スーパーマリオブラザーズ、ドラゴンクエスト、ファイナルファンタジー
ソフト媒体:ROMカートリッジ
CPU:RP2A03(8bit)
同時発色数:25色
音源:矩形波1+三角波1+ノイズ1+DPCM1
もはや説明の必要もないほどに大ヒットした任天堂から発売の家庭用ゲーム機。
ソフトウェアは読み出し専用メモリ(ROM)に書き込んでカートリッジに収納。
本体からゲームカートリッジにアクセスしてゲームソフトを読み出して実行するスタイルとなっている。
このスタイルの採用によりゲームカートリッジの低価格化にも成功。
当時アーケードでヒットしていた任天堂ゲームの移植作も発売され、多くのゲームファンからの支持を得ることができた。
また、ソフトウェアメーカーにとってファミコンのハードウェア性能の高さはゲーム開発を容易にした。
このため、任天堂だけでなく多くのサードパーティが参入し、ヒット作を連発することになる。
発売当初は「スーパーマリオ」や「ゼビウス」など、アクションやシューティングゲームがタイトルの中心となっていた。
その後、ゲームROMの大容量化が可能となり、アドベンチャーやRPGやシミュレーションゲームなど、多種多様なタイトルが発売されていく。
これにより、新たなユーザーの取り込みにも成功する。
その結果ファミコンは社会現象を巻き起こすほどのモンスターハードとなったのである。
この年、1983年の発売以来、1994年にハドソンから最後のソフト「高橋名人の冒険島IV」が発売されるまで、ファミコンは約11年間に渡り第一線で活躍し続けた。
家庭用ゲーム機におけるひとつの時代をつくった、任天堂を代表するゲーム機である。
Nintendo ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ
SG-1000
メーカー:SEGA
発売日:1983年7月15日
価格:15,000円
販売台数:世界/40万台
ソフトウェア発売数:74タイトル
代表作品:スター・ジャッカー
ソフト媒体:ROMカートリッジ
CPU:μPD780C(8bit)(Z80A互換チップ)
同時発色数:16色
音源:PSG3+ノイズ1
当時は任天堂とライバル関係にあったセガ・エンタープライゼスの家庭用ゲーム機「SG-1000」。
発売日がファミコンと全く同じ1983年7月15日、これは偶然でしょうか。
ゲームパソコンとしてキーボード付きで同日発売された「SC-3000」をベースに、ゲームに機能特化して価格を下げた家庭用ゲーム専用機。
ゲームコントローラは本体にひとつ直付けとなっており、二人プレイする場合は別売りのジョイスティックを接続する必要があった。
また、SG-1000のジョイスティックコントローラは少しクセのある独特なデザインとなっていた。
当時のセガのスタンスとしては、ゲームソフトはセガブランドとして展開しており、自社のアーケードタイトルからの移植作品などを中心にラインナップ。
他社ブランドの移植作品もセガブランドとしてリリースしている。
背面には拡張スロットがあり、別売りのキーボードを接続することもできる。
発売されたゲームタイトルはトータル74タイトルにとどまる。
当時人気の高かったアクションゲームやシューティングゲームやパズルゲーム中心に、麻雀やオセロなどもラインナップされた。
SG-3000
メーカー:SEGA
発売日:1983年7月15日
価格:29,800円
セガ・エンタープライゼスからSG-1000と同時発売された上位互換機。
キーボード一体型の本体はパソコンとしての機能を備えており、家庭用ゲーム機というよりは、この後に発売される「MSX」のような家庭用パソコンといった位置づけ。
専用モニターがなくてもテレビに接続して使用できる廉価版の家庭用パソコンであり、専用カートリッジを挿せばゲーム機としても使える。
一粒で2度おいしいゲームパソコンだったのです。
発売されたゲームタイトルは、SG/SC共通のゲームカートリッジが21(83年)+11(84年)+8(85年)+1(86年)+1(87年)のトータル42本。
オプションのカードキャッチャが必要なセガ・マイカードタイトルが22(85年)+6(86年)+1(87年)のトータル29本。
セガ・キーボード用のソフトが19本(学習用カートリッジ)、7本(BASICカートリッジ)
となっている。
光速船
メーカー:バンダイ
発売日:1983年7月
価格:54,800円
販売台数:不明
ソフトウェア発売数:???
代表作品:ハルマゲドン、スクランブルウォーズ
ソフト媒体:ROMカートリッジ
「光速船」は、「任天堂ファミコン」や「セガSG-1000」と同時期の、1983年7月にバンダイが日本国内用に発売したゲーム機。
元々はアメリカのGCE社が「Vectrex」として1982年に発売したものである。
アメリカでの販売価格は199ドル、当時の為替レートは1ドル230円程度だったので円換算で46,000円ほど。
「光速船」の日本国内での定価は54800円だった。
舶来品とはいえ、ライバル他社の家庭用ゲームマシンと比べて高価だったこともあり売り上げはいまひとつだった。
「光速船」は縦置き9インチの白黒CRTを内蔵していた当時としては個性的なスタイル。
大型のアナログ入力に対応した4ボタンジョイパッドなどを標準で装備していた。
オリジナリティ溢れるこのゲーム機は、レンタルやおもちゃ売り場に設置されたものもあり。
オプション機器を装着することででアーケードゲームの筐体として使えるようになるコインオペレートも可能で、アーケードゲーム機としての運用も行われていたようである。
表示画面はモノクロのブラウン管。
アナログオシロスコープと同じようにベクタースキャン方式で画面に直接線を描く方式が特徴的だった。
TVボーイ
メーカー:学習研究社(学研)
発売日:1983年10月
価格:8,800円
ソフトウェア発売数:6本
代表作品:エキサイトインベーダー、ミスターボム
ソフト媒体:カートリッジ
CPU:MC6801※カートリッジ側に搭載
TVボーイ(テレビボーイ)は、1983年10月に学習研究社(学研)から発売された家庭用ゲーム機。
低価格路線のゲーム機で価格はなんと8,800円だった。
カセットビジョンと同じように、カートリッジ側にワンチップマイコンが搭載される構成だった。
ゲームカセットも低価格に抑えられており全て3,800円だった。
ゲーム機本体がジョイスティックのような構造で、T字型のジョイスティックに親指のところに操作ボタンがひとつ、左手の取っ手にも同じ機能のボタンがひとつある。
本体には電源スイッチの他にゲームを中断するポーズボタンがある。
発売されたゲームソフトは全部で6種類。
エキサイトインベーダー/ミスターボム/ロボタンウォーズ/地対空大作戦/フロッガー/市街戦200X年
PV-1000
メーカー:カシオ計算機
発売日:1983年10月
価格:14,800円
販売台数:
ソフトウェア発売数:13本
代表作品:プーヤン、スーパーコブラ、ディグダグ
ソフト媒体:ROMカートリッジ
CPU:Z80A互換
「PV-1000」は、1983年10月にカシオ計算機から発売された家庭用ゲーム機。
定価14,800円と先発のファミコンと同じ低価格を実現したが、売れ行きは全く及ばなかった。
同時発売だった同社のゲームパソコン「PV-2000(愛称:楽がき)定価29,800円」とはソフトの互換性がない。
コナミの「プーヤン」や、ナムコの「ディグダグ」など、アーケードゲームの人気タイルとを移植した作品が名を連ねる。
発売元のカシオ計算機は、翌1984年には、MSX仕様パソコンのPV-7(定価29,800円)を発売し、主力商品をゲームパソコンへと舵を切った。
このため、発売されたゲームソフトは全部で13タイトルに終わっている。
オセロマルチビジョン
メーカー:ツクダオリジナル
発売日:1983年11月
価格:19,800円
ソフトウェア発売数:ツクダオリジナルから8本
代表作品:オセロ、Qバート
玩具メーカー「ツクダオリジナル」が発売したセガ「SG-1000」互換機。
商品名にあるように、本体にデフォルトでオセロのソフトを内蔵しており、カートリッジを挿さずに電源を入れると遊べる。
本体にはオセロ用の操作ボタンがついている。
本体にもジョイスティックとボタンが付いており、コントローラをつながなくてもゲームができる。
コントローラ接続用の外部端子もあり、別売りのコントロールパッドや、SGシリーズ用のコントローラも使用可能。
本体定価は19,800円でオセロソフトが内蔵されているとはいえ割高感があり、売れ行きはあまり芳しくなかった。
ファミコンテレビC1
メーカー:シャープ
発売日:1983年10月
価格:19インチ/14万5000円、14インチ/9万3000円
シャープが任天堂と共同開発した「ファミリーコンピュータ」内蔵のブラウン管テレビ。
テレビに内蔵されたファミコンは、映像出力がRGB信号で接続されており、画質が良く鮮明だった。
ファミコン関連では、シャープはこの後、ファミコンとディスクシステムを合体した「ツインファミコン」も発売している。
また、後にスーパーファミコンとテレビを合体した商品(SF1)も発売している。
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