チョップリフターはヘリコプターで敵に捕えられた捕虜を救出するシューティングゲーム。
アメリカ発の黎明期シューティングゲームで、AppleⅡなどPC版として人気のあったバンゲリング帝国三部作のひとつ。
バンゲリング三部作とは、1982年にアメリカのブローダーバンド社から発売された、パーソナルコンピュータ用横スクロールシューティング「ロードランナー」「バンゲリングベイ」「チョップリフター」のこと。
当時のパソコン版ゲームの大ヒットシリーズでした。
ゲーム内容
ゲームの舞台は戦場、しかも敵戦地である。
敵に捕らわれた捕虜をヘリコプター一機で救出するという、それどこのランボー??という設定。
自陣から飛び立ったヘリコプターを駆使して、敵陣に乗り込み、戦車やら戦闘機が飛び交う中、ヘリコプターのひ弱な火力と慣性のある不安定な姿勢制御に苦しみながら捕虜を助けるべく敵陣内に着陸して救出する。
というランボーのスタローンか、あるいはコマンドーのシュワルツェネッガー(ジョン・メイトリックス)のような勇敢さで闘うのである。
しかもフロントラインや戦場の狼のように戦場を駆け抜けるのではなく、ヘリに乗って救出するのみというなんともヒーロー感のないプレイ内容。
当時のアメリカにとってははリアリティのある設定だったかもしれませんが、今となってはなんじゃそりゃと感じられるのも致し方ないところ。
とにかく与えられたヘリで敵陣に乗り込んで、壊れた牢獄からひたすら捕虜を救出するのです。
敵陣内の収容所を撃破すると中から捕虜が走り出してきます。
逃げ出す捕虜の近くに着陸すると捕虜がヘリに乗ってきますので自陣の基地に連れていき降ろせば救出となります。
捕虜はステージに64人ずついますが、ヘリに載せられる人数には制限があるので定員オーバーしないようにわけて運びます。
ヘリに捕虜を乗せているときに墜落すると救出失敗となります。
捕虜は着陸時にヘリで踏みつぶしてしまうこともありますので、ヘリの捕虜が下にいないことを十分に注意して着陸する必要があります。
当時のパソコンゲームはジョイスティック対応していない機種が多かったので、キーボードで不自由に操作するのもゲームを楽しむ醍醐味のひとつでした。
パソコン版チョップリフター
「チョップリフター」はアメリカのブローダーバンド社から8ビットコンピュータ用のゲームとして発売されただけあって国内の8ビットパソコンの多くの機種にも移植されました。
移植版が発売された機種はFM-7、SMC-777、PC-8801、PC-6001、X1、MSXなど。
家庭用ゲーム機のファミコンなどにも移植されましたがそのゲーム内容はほぼ別物。
チープなグラフィックに棒人間のような捕虜、ドットで描かれる砲弾など、グラフィックをグレードアップせずに8ビット機ならではの味わいのある雰囲気も楽しめるパソコン版も捨てがたいものです。
チョップリフターPC-8801版
1984年11月にシステムソフトから発売されたNECのPC-8801版チョップリフター。
シューティングゲームをあまり得意としないPC-8801ですが、グラフィックがシンプルなチョップリフターは軽々と動いていました。
といいますか、PC-8801版のチョップリフターはヘリが軽く動きすぎのような気が。
いやいや、ヘリはそんな動き出来ないだろう、というほど、右に左に上へ下へと重力を無視して軽々と動きます。
自陣の基地から軽々と軽快に飛び立ち、敵陣内に着陸しては捕虜を救出していきます。
敵陣で救出した捕虜は自陣の基地で降ろせば救出成功。
軽々と動くヘリコプターを自在に操って、敵戦地の戦車と戦闘機を同時に相手にしながら、捕虜を救い出すという超困難なミッションをクリアするのだ。
チョップリフターX1版
1985年にソフトプロから発売されたSHARPのX1版チョップリフター。
PC-8801版の移植を担当したのはシステムソフトでしたが、このX1版を移植したソフトプロは1984年に富士通FM-7版を発売している。
X1版のチョップリフターはヘリの動きが重力に逆らい過ぎていない、もっさりと慣性を感じられる操作感。
操作に対してクイックに動くPC-8801版のヘリとは違い、慣性力を意識してはやめの操作が必要です。
難易度はPC-8801版よりも低め(というかPC-8801版が難しすぎ)になってます。
チョップリフターMSX版
MSX版のチョップリフターは1985年にソニーからロムカセットで発売されました。
8ビットパソコン版では殆どの機種でジョイスティックに対応しておらず、キーボードでの操作となりましたが、このMSX版は嬉しいことにジョイスティックに対応。
左右の手をキーボードに置いて上下左右方向変換ショットと忙しく操作する必要はなく、ジョイスティックで楽々操作のチョップリフター。
戦場で味方の捕虜を救出するというリアルな設定のゲームにも関わらずちゃっかりと隠れキャラも登場。
低スペックな8ビットマシンでも十分に楽しめる秀逸なシューティングゲームのひとつでした。
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